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事例集(施工不良・電気事故)

現場で実際に起きたこと、そこから何を学べるかをご紹介します

電気の事故は、ある日突然起こるように見えて、その前に何らかの兆候が現れていることが少なくありません。 また、原因をたどると設置時の施工にさかのぼることもあります。 このページでは、実際の現場で遭遇した施工不良や電気事故について、何が起きたのか・なぜ起きたのか・どうすれば防げたのかをご紹介します。 ご自身の設備を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
電気事故

蛇の侵入による高圧地絡、構内が全停電

盤下部の開口部から侵入した蛇
何が起きたか
構内が全停電。原因を調査したところ、盤内に蛇が侵入し、高圧側で地絡が発生していました。
原因
盤下部の開口部から侵入したものと予想されます。充電部に触れれば、それだけで地絡・短絡に至ります。
対応
蛇を除去したうえで、侵入経路となる開口部を塞ぎました。
この事例から言えること 小動物の侵入は、起きたときに「いきなり全停電」という形で表面化します。機器そのものが健全でも関係ありません。 盤の貫通部・扉まわりのすき間を塞いでおくことは、費用のかからない、しかし効果の大きい対策です。
小動物侵入 高圧地絡 全停電 開口部の閉塞
電気事故

高圧ケーブルの地絡(水トリー劣化とみられる例)

絶縁破壊した高圧ケーブル
何が起きたか
高圧ケーブルの絶縁が破壊され、地絡事故が発生しました。写真は撤去したケーブルで、内部の導体まで損傷しています。
原因
水トリー劣化によるものとみられます。ケーブル内部に長期間わずかな水分が侵入し続けると、絶縁体の中に樹枝(トリー)状の劣化が広がり、やがて絶縁破壊に至ることがあります。
ポイント
この種の劣化は外から見ても分かりません。事故が起きて初めて、内部で長い時間をかけて進行していたことが分かります。
この事例から言えること 高圧ケーブルは、見た目がきれいでも内部で劣化が進みます。とくに地中埋設や水がたまりやすい環境では要注意です。 年次点検での絶縁抵抗測定に加え、経過年数と布設環境をふまえた計画的な更新が、結局はいちばん確実な対策になります。
高圧ケーブル 絶縁破壊 地絡事故 計画的更新
劣化・不具合

絶縁テープの経年劣化により、高圧接続部が露出しかけていた

経年劣化で破れた高圧接続部の絶縁テープ 屋外の高圧接続部に巻かれた絶縁テープの劣化状況
何が起きたか
屋外にある高圧電線の接続部で、巻かれていた絶縁テープが破れ、内部が露出しかけていました。
原因
施工時には問題なく巻かれていたものと思われますが、長年の紫外線・温度変化・風雨によってテープそのものが劣化し、とくに張力のかかる凸部から破れて露出したものと考えられます。
なぜ問題か
露出した部分は絶縁の弱点となり、地絡・短絡の起点になります。屋外であれば、雨や着雪が加われば条件はさらに悪くなります。
見つけ方
測定値には表れません。点検の際に接続部そのものを目で見て判断するしかない部分です。
この事例から言えること 絶縁テープによる保護は、いちど巻けば永久に持つものではありません。屋外の接続部はとくに、年数とともに確実に劣化していきます。 機器そのものだけでなく、接続部の保護がまだ効いているかを見ておくことが必要です。
絶縁テープの劣化 高圧接続部 屋外電線路 経年劣化
施工不良

電線の差込不足による接続部の過熱・焼損

差込不足により炭化・焼損した接続部
何が起きたか
並んで取り付けられた接続機器のうち、中央の接続部だけが激しく炭化・焼損していました。
原因
電線の差込不足です。差し込みが浅いと接触面積が足りず、接触抵抗が大きくなります。電流が流れるたびにそこで発熱し、樹脂を焦がしながら焼損に至りました。
やっかいな点
差込不足でも、施工直後は問題なく通電します。だからその場では気付けず、数年後に事故として出てくることになります。
この事例から言えること 接続部は電気設備でもっとも事故が起きやすい箇所です。「通電しているから問題ない」は通用しません。 当事務所の月次点検でサーモカメラによる温度測定を行っているのは、こうした過熱を焼損に至る前に見つけるためです。
差込不足 接触抵抗 過熱・焼損 サーモカメラ
劣化・不具合

漏電遮断器(ELB)が動作せず、電線が過熱していた(一般住宅の分電盤)

一般住宅の分電盤で過熱により損傷した漏電遮断器まわりの電線
何が起きたか
一般のご家庭の分電盤で、電線の被覆が損傷・変色しているのを発見しました。接続されている漏電遮断器(ELB)の端子部が過熱していたものです。
原因
ELBの経年劣化です。過負荷の状態になっても遮断器が動作せず(不動作)、電流が流れ続けたことで過熱に至りました。
ポイント
遮断器は、設置されていること自体が保護ではありません。いざというときに動いてはじめて保護装置として機能します。
この事例から言えること 「ブレーカーが付いているから安全」と思われがちですが、遮断器そのものにも寿命があります。動かない遮断器は、保護がないのと変わりません。 これは一般住宅の分電盤での事例ですが、事業場の高圧設備でも事情は同じです。保護装置は「守ってもらう側」ではなく、「点検・更新する対象」として管理する必要があります。
漏電遮断器(ELB) 一般住宅の分電盤 不動作 過負荷・過熱 保護装置の更新
劣化・不具合

1991年製の真空遮断器(VCB)が動作しなかった

1991年製の真空遮断器(VCB)の銘板
何が起きたか
高圧受電設備の主遮断装置である真空遮断器(VCB)が動作しませんでした。銘板を見ると1991年製、製造から30年以上が経過しています。
なぜ問題か
VCBは、事故が起きたときに事故電流を遮断し、被害を自分の設備内で食い止めるための装置です。これが動かなければ、不必要範囲の停電や機器の焼損に直結します。
更新の目安
高圧機器には更新推奨時期が定められています。開閉回数や整備状況によっても寿命が決まります。「まだ動いているから大丈夫」とは言えない機器です。
この事例から言えること 高圧機器の更新は、まとまった費用がかかるため後回しにされがちです。しかし、動かない遮断器を残しておくことは、事故のときに被害を止める手段がないということです。 点検時に更新推奨時期を超えた機器をお伝えし、計画的に更新できるよう早めにご提案しています。
真空遮断器(VCB) 不動作 更新推奨時期 計画的更新
劣化・不具合

電線路への樹木の接触

高圧引込線に接触しかけている樹木
何が起きたか
高圧の引込電線路に、周囲の樹木が接触している状態を確認しました。
なぜ問題か
樹木が電線に触れると、そこから地絡が発生します。高圧側での地絡は、自分の構内だけでなく周辺一帯を停電させる波及事故につながるおそれがあります。
季節の影響
枝は伸びます。さらに強風や着雪で枝がしなれば、普段は離れて見える枝も一気に電線へ届きます。夏場の生長期と、雪の季節はとくに注意が必要です。
この事例から言えること 樹木の管理は、電気設備の点検とは別のことのように思われがちですが、電線路の一部として見るべきものです。 伐採には土地所有者との調整が必要な場合もあり、時間がかかります。接触してから慌てないよう、余裕をもって手を打つことをおすすめしています。
樹木接触 高圧引込線 波及事故 着雪・強風
劣化・不具合

キュービクル屋根の錆から生じた開口部(雨水・小動物の侵入経路)

補修前キュービクル屋根の錆による開口部(補修前)
補修後キュービクル屋根の開口部を補修した後
何が起きたか
月次点検の際、キュービクル屋根の錆が進行し、開口部(すき間)が生じているのを発見しました。事故には至っていない段階です。
放置するとどうなるか
開口部からは雨水や雪解け水が入り込み、内部の絶縁不良を招きます。さらに、小動物や虫の侵入経路にもなり、短絡による停電や波及事故の引き金になりかねません。
対応
信頼できる専門業者と連携し、開口部の補修を実施しました。当地は豪雪地帯であり、雪解け水の影響も考慮した補修としています。
この事例から言えること キュービクルの外箱は、単なる「入れ物」ではなく設備を守る役割を担っています。 屋根や扉まわりの錆は、進行してから直すと大掛かりになり、その間に内部が濡れてしまえば被害は外箱だけでは済みません。 事故が起きる前に見つけて直すことが、結果として一番安く済みます。
錆・腐食 雨水・雪解け水の侵入 小動物侵入 予防保全
該当する事例はありません。

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